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永続家計を実現するためにリタイヤまでにやっておきたい5つのこと
わが家の「未来への仕送りプラン表」を作成しよう!
こんにちは、FP&永続家計アドバイザーの豊田です。「リタイヤまでにやっておきたい5つのこと」第2回はわが家の「未来への仕送りプラン表」の作成です。
ファイナンシャル・プランナー
豊田 眞弓
とよだ まゆみ
「未来への仕送りプラン表」は家計を変える
自立した大人なセカンドライフを送るために、前回はバランスシートを作成し資産や負債の状況をつかみました。その結果、「貯蓄のペースを上げたい」と思った人もいるかもしれませんが、考えただけで家計は変えられません。「今日の生活」を変えるには、心理的な壁や生活習慣の意識改革を行う必要があります。
そのために作成したいのが「未来への仕送りプラン表」です。貯蓄で備えるべき支出を洗い出し、それを貯めるプランを立てるだけ。下は45歳Aさんの例です。Aさんは45歳会社員、妻パート、子どもは1人、金融資産は預貯金500万円と年金財形200万円、投資信託100万円のほか、学資保険満期200万円に入っています。
Aさん45歳の未来への仕送りプラン表の例(単位:万円)
目的 | 備考 | 目標額① | あと何 年?② |
現在の貯蓄 (貯蓄型保険受取見 込額等含む)③ |
必要貯蓄 額④ (①−③) |
年間の貯 蓄目標⑤ (④÷②) |
どう貯める?⑥ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
毎月 | ボーナス 年間 |
|||||||
生活予備費 | 生活費3〜6カ月 | 200 | 常時 | 200 | 0 | 0 | 0 | 0 |
教育資金 | 大学資金として(子が中学卒業 までに貯める、学資保険含む) |
400 | 2 | 320 | 80 | 40 | 2 | 16 |
住宅関係 | リフォーム | 200 | 8 | 40 | 160 | 20 | 0 | 20 |
親孝行資金 | 介護などもしもの時用。親の時 に使わなければ自分達用に |
300 | 10 | 140 | 160 | 16 | 0 | 16 |
老後資金 | 退職金予想1800万円、年金財 形200万円、投信100万円 |
3000 | 15 | 2100 | 900 | 60 | 5 | 0 |
合計 | 2800 | 1300 | 136 | 7 | 52 |
「仕送りプラン表」作成方法
まずは、生活予備費や住宅関係、車に乗るなら車の買い替え、レジャー費、教育・子供関係費、親孝行用貯蓄(親の介護予備費)、老後用など、今後貯めなくてはいけない「目的」を書き出します。
次に、目標額①と、あと何年間 ②で貯める必要があるかを記入します。Aさんの例では、老後資金*の目標を3000万円として、これをあと15年で達成したいので該当箇所に3000万円、15年と記入。
さらに、今ある資産のうち、学資保険なら教育資金**、年金財形や投資信託は老後資金と目的で整理します。預貯金の500万円は優先順位の高い予備費と教育資金、親孝行資金へ優先的に振り分けることにします。それを現在の貯蓄額③の欄に記入し、目標との差額の必要貯蓄型④を記入。Aさんの場合、老後資金の③に退職金予想1800万円や年金財形200万円、投信積立100万円も含まれています。
続いて、年間貯蓄目標⑤を計算し、それを毎月分とボーナス分に分けて貯蓄プラン⑥を立てれば完了です。
*総務省「家計調査」(2014年)」によると、高齢夫婦無職世帯は月約6万円が赤字で60歳から25年分の不足額の累計は約1800万円。生活費以外の支出(家のリフォームや車買換えほか)や医療・介護の予備費他で仮に1200万円を見積もっても3000万円と推計。
**日本政策金融公庫「平成26年度 教育費負担の実態調査」では、私立理系自宅通学で学費が788万円かかる。表の例では、半分を家計や奨学金でまかなう前提で、貯蓄額を400万円と推計。
無謀な仕送りプランはどうする?
仕送りプランが実現できて問題がない方は今まで通りでOKです。しかし、無理がある場合は対策が必要。方法としては、①支出を削減、②仕送りプランを見直す、③世帯収入を上げるなどですが、複合的に行うと効果大です。
Aさんの例で「仕送りプランを見直す」には、住宅リフォームの予算を下げる・時期を遅らせる、教育資金の一部に奨学金を利用するなどが挙げられます。世帯収入を上げるには妻の働き方を見直すほか、「お金に働いてもらう」投資力を磨くのも一法です。
この仕送りプラン、たかが表と侮るべからず。作成してみると道の険しさがわかります。未来に関わるので、家族で分かち合うためにも一緒に作成することが大事ですよ!
永続家計を実現するためにやっておきたいことの1つが「未来への仕送りプラン表」の作成。実際に作成してみると、わが家の家計の問題も見えてきます。現実的な仕送りプランを完成してこそ、自立した大人への階段を上れます。仕送りプランが無謀な人は、プランの見直しともに、世帯収入を上げることも大事。世帯収入を上げる方法の1つに投資力を磨くことも挙げられます。
FPラウンジ ばっくすてーじ代表。経済誌・女性誌等のライターを経て1994年より独立系FP。「家計の永続性」をテーマに据え、個人相談や講演会、雑誌や新聞、サイトへの寄稿や記事の監修などを行っている。6カ月かけて家計を見直す「家計ブートキャンプ」も好評。40代からの生き方をマネー面から考える「親の介護・相続と自分の老後に備える会」事務局長。「マイホーム賢い人はこうして買う」(PHP研究所) 、「50代家計見直し術」(実務教育出版社)など著書多数。座右の銘は「今日も未来もハッピーに」。
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